囃子の主役は子供たちです。子供たちは秋の本番に向けて、鉾町の大人と一緒に一年を通して稽古に励みます。本番では高い山鉾の上で、堂々の演奏を披露します。
昔からそうであったように……、世代を超えてひとつのものをつくりあげていくとき、歴史の重み、伝統を守ること、伝えていくことを肌で学んでいきます。そうしてまた、次代の子供に囃子を伝えていくのです。
八幡山
打ち込み
囃子をおこなう時に最初に囃します。太鼓のみの演奏です。
此の町
町内巡行の時に、一番最初に囃します。
鉦・太鼓・笛の総出の曲で、ほとんどすべての奏法がでている基本の曲とされていますが、演奏は難しいといわれています。
翁山
一二三
ゆっくりしていて、長い曲です。鉦・太鼓・笛の一回りの長さが違っている点が特徴で、3種の楽器を合わせるのが難しいです。曲名は、鉦が「カン・・・、カンカン・・・、カカカン・・・」というように数が増えていくことに由来しているとされています。
揚がる
それぞれの曲の間に一種のつなぎのようにして必ず囃されます。
三輪山
獅子の打ち込み
最初に囃すときだけ打ち込みがつきます。
獅子
勇ましい曲で、リズム的には一番覚えやすいとされています。 口唱歌は口頭伝承されてきました。
ソコタタキミッツ
鉦のみによるもので、笛の休憩の曲となります。「ソッコッ!」といった掛け声とあいまって勇ましい感じがします。
高砂山
次郎
人を呼び込むときの曲とされます。高砂山囃子のなかでは一番ゆっくりとした曲で、同じパターンの繰り返しが多く、非常に長い曲です。笛の音がきれいで華麗であり、笛をきかせる曲となっています。
この曲の後には必ず『太郎』を囃すことになっており、実際の演奏では「タロウヨ、タロウヨ」という呼び出しに続いて『太郎』が囃されます。
難波山
祗園囃子
ゆったりとした感じの曲です。特に、笛が1オクターブあがったりさがったりする、笛の聞かせ処の曲で、他の楽器は単純な繰り返しだけとなっています。
急所の曲、見せ場をつくる曲といわれ、観客のピーク時には他の曲の間にはさみいれたりもします。
武内山
神楽
テンポが良くリズム感もあって元気な感じのする曲です。 遅~速という大きなテンポ変化があるのも、他の曲にはない特徴です。遅→速→遅という山形をつくることが良しとされています。笛の合図でテンポを変えます。
神輿をむかえる時や、巡行中に辻で他の山とすれちがった時には、他の曲を囃していてもこの曲にきりかえて囃します。
戻り鉾
寂しい感じのする曲です。 巡行してきて町内に戻ってきたとき、神輿が山の前を通過した直後に『神楽』に続いて囃します。笛はむずかしく、「ヒャイ」が5回もあり、他にはない曲調をもっています。笛の見せ場の曲です。
羽衣山
獅子
(太田 勝氏/編曲)
神楽
(太田 勝氏/編曲)
打込み
(太田 勝氏/編曲)
羽衣
(太田 勝氏/編曲)
鍬山
つなぎ
曲と曲とにはさんで鉦・太鼓のみで演奏します。(武内直己氏/編曲)
地囃子
ゆったりと深く吹き込む笛の音が祭情緒に引き込む曲です。(武内直己氏/編曲)
鍬山
カンチキチ カンチキチ カンカンチキンとリズム良く鳴らす鉦に合わせて心弾ます楽しい曲です。(武内直己氏/編曲)